彼方からの手紙 #03
「結婚しようよ」から「隠居しないか」へ
このメールマガジンは隔週にて更新の予定です。
札幌のフレッシュコーヒーとユースカルチャーについて、最近気になっている事柄について、近ごろの暮らしの様子について、伸びやかに横断しながら言葉を連ねてみます。
あっという間に1月も終わった。自分について頑張る、みたいなことを最近は決意している。それはイベントについてもだし、コーヒーやC-originの展開の仕方についてもだし、人生のプランについても。どれも頑張りたいと思えばその分だけやることがあるんですね。恥ずかしながら最近知りました。手を伸ばせば届くものがいっぱいあって、努力は大抵70%くらいが結果で帰ってくる。ここ最近までは流れるまま、いただけるお誘いのままに動きながら、それによって変容する自分を面白がることを続けてきたけれど、もうそんな気分からは随分と遠くなった。
自分という船のオールを自分自身でしっかり掴むことは、常に選んだことと選ばなかったこと、そして掴めるものには限度があることを突きつけられる。魔法の到来を待つか、慎重にものごとを積み上げるか、どちらもやりたいならバランス感覚が大切みたい。僕について今でも興味や愛好を抱いてくれる人が、ほんとうに幸いなことに幼少期から今までの様々な変遷を通して尚、存在していてくれていて、なるべく全てを裏切りたくないと思う。その嬉しい責任感によって自分が自分であることを諦めずに済んだシーンはたくさんありました。
とある週末、完成したイベントのフライヤーを置いてもらうために、当日の会場で、大好きなバー/クラブであるPROVOへ行ったのだけど、そこで韓国から旅行に来たというビデオディレクターの方と出会った。自分は学生のころから英語を学んで日本語との差異を見出すのは楽しいと思う一方、執念深く定着させるという取り組みがずっと苦手で先生をいつも困らせていた。ここ数年は英語に触れる機会も激減し、能力が衰えていく一方だった。
そんな状態だったから初めの30分くらいはコミュニケーションもままならず、相手にたくさん困惑をさせてしまった(なさけない)。
だけど同じ場でいろんな表情や、拙いながらも言葉を選ぶ様を見せ合う時間を共に過ごしていると、どこかからストンと意思疎通ができるようになっていた。果てには「札幌はこんな風に一面が雪景色に覆われて視界さえホワイトアウトするんだ。この景色を知っているからこそイメージできる孤独感や輪郭の揺らぎ方ってあると思っていて……」みたいなことまで交感し合えた。それが本当に嬉しくて、なんだかずっと覚えている。
その経験もあって、もっといろんな言語について学びたいと思っている。だって世の中に溢れている面白いものにアクセスできないなんて悔しすぎるもの。それが自分の努力次第なのだとしたら、頑張ってみたいよー。
先週末、2/1に4丁目プレイスにてイベントを開催しました。来てくれた人、関心を持ってくれた人本当にどうもありがとう。素敵なアクトが、それぞれを愛好する素敵な方々が交差するイベントになっていたと思う。
自分は交差みたいなことについて関心がずっとある。底抜けに寂しさや疎外感を抱いてきたから、食べられる道草全部食べて、気が遠くなるほどの回り道をしてきたなと思うんだけど、そのおかげで素敵な人々やムードがこの街にあることをばっちりとわかってきた気がする。全てのシーンや界隈が混ざればいいとか、もっと大きくなることが何より大切とは全然思わない。そんなの冒涜だから。だけど、予期せぬ刺激や体験によって未来や希望が拓かれるみたいなことってあるじゃん?自分はそのドキドキによって駆動してきたことがたくさんあったから、そんな機会をたくさん作りたいと考えている。Let’s Get Chanceってこと!
自分にDJの基礎みたいなものを教えてくれた、ケニアの宴くんという大好きな先輩がいるのだけど、彼らが主催するイベントが先月から札幌で始まった。Plastic Theaterという古くからあるクラブで、入場料はドリンク代込みで1000円という良心的すぎる設計。素敵なものをまずは届けたい、みんなで集まる機会を作りたいという気持ちがギュンギュンに詰まっていて、実際にその場にはあたたかい空気でいっぱいだった。自然と体が揺れてしまう音楽が鳴っていて、気の会う誰かと出会ったり再会したりできるんだろうなーと思えるそんな雰囲気って素敵ですよね。感動したなー。
就職をきっかけに旭川と、それよりもっと北方に住んでいる友達と、久しぶりに集まって上川のKinubari Coffee Roasterというカフェへ遊びに伺ったりもした。そこの店主、絹張さんはもう6年近くの知り合いで、自分が東ティモールへ留学してすぐの頃、上川の家に泊めてくれてイベントも企画してくれたことがある。ずっと地方でみんなから愛されながら、かっこいい活動を続けていて本当に尊敬している。素敵なお店でした。
半年ぶりくらいに会った友人と行きの道中に、何に生かされていると思う?みたいな会話をしていたとき、行き着くまもなく「お客様」と答えていて圧倒された。彼女はそういうことをまっすぐに、自分なりの咀嚼の果てに思っているのだろうと感じたから一層感じ入るものがあった。あまりに世の中の善性を信じている。その声を聞いてからずっと我が身を振り返っている。
2月のイベントに向けて大量にコーヒー豆を焼いた。恐れ多ささえ感じる近頃の積雪や寒さに応じるような深煎りのケニア、フレッシュであることを何より意識した浅煎りのエチオピア、いつだって側にいてくれるデカフェのメキシコ、そしてコーヒーの持つ果実味がギュッと詰まったコロンビア。それからはなんだかイチゴみたいなキュートさを感じられて、イベントの成功を予感しました。
前回のお手紙でも大きく触れた15日のイベントまでもう10日ほどになった。既にワクワク、ドキドキしています。いい日になることはきっともうほとんど決まっていて、そこに魔法をかけるには、誰も取りこぼさない優しさでいっぱいにするには、多くの人がシャイにならずにいられる場にするには、どうしたらいいんだろう?と考えている。前述した通り、こういったエゴやおせっかいみたいなことこそ、頑張り方次第だね。うまくやれたらいいのだけど、いっぱい考えて、動いてみようと思います。(取り置きはこちらから、もしお金がなければこっそり教えてください)
C-originというブランド名は自分の愛好するコーヒーやカルチャーからまず始めてみるという、少し悲しい覚悟によって定まった名前なのだけど、栞を挟むためのブランドでもずっとある。素晴らしいものを素晴らしいといいたい、それが適切な流通に乗ってほしい。そういった美しい印象操作をやりたいと、ずっと考えています。
ただ一方で、C-originとして掲げる美しさに僕自身が萎縮してしまうこともしばし起きてしまう。そんなできた人間じゃないのに、と嘘ついてる気分になって落ち込むことが少々。そんな時に頭に浮かぶ人、軽口だったとしても弱音を聞いてくれる人には感謝でいっぱいだ。いつかあなたのそれに僕もならせてください。
最近良かったもの
・機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女
これを書いている2月4日、ちょうど2時間前くらいに観てきた。オープニングにSZA、エンディングにGuns N’ Rosesを用いていて、2020年代の世界的に通用するような、不安定な少年少女たちの揺らぎについて描くだという覚悟を感じる。社会システムの歪みに翻弄されながら、美や正義が倫理と相反することについての話、そして欲望についての話を終始描いていて素晴らしかったです。ちゃんと涙を流した。上田麗奈はチェンソーマンでレゼ、今作でギギと、ファムファタールを演じすぎていてすごいことになっている。ガンダム作品って敷居が高い理由がわかるほどレイヤーが細かくて全てに意味があるからすごいなと思う。観た人は連絡ください!話しましょう。
・有田咲花
私が情報収集において頼りにしているharvest. tokyoというアカウントがあるのだけど、その運営をされてる方がここ1年半ほど熱狂しているアーティストとして有田咲花さんを知った。X(旧Twitter)でもファーストアルバムの時点で信頼するレビュアーの方々が騒然としているのを見かけながら、「初期椎名林檎のような素晴らしさ」という絶賛の声を多く目にして、椎名林檎に対して若干の警戒と苦手意識を覚えている(いつかちゃんと触れたいです)私はなんとなく触れられずにいた。
そんな中、いつも通りharvest. tokyoのストーリーズを見ていると、有田咲花が全編レゲエのライブをして、さらにライブ終盤では電気グルーヴの「N.O.」をカバーしたという情報が。重ねて、いつも素敵な音楽を共有してくれるふわけという大好きな友人がいるのだけど(来月最高な自主企画を東京でやるらしい。全員行って欲しいです)、そいつが3rdアルバムが素晴らしいとのシェアハピが届く。さらにさらに昨年末ごろ札幌へ引っ越してきた友達が、それまで住んでいた東京で仲が良かった人物として有田咲花を教えてくれて、勝手に身近な存在に感じるようになり、さすがに観念して噂の3枚目に耳を傾けてみたのが出会いだったように思います。
実際そのアルバムからはなんと「ぼさのば」という曲から始まり、レゲエやブラジル音楽の影響を多分に受けた、つまりめちゃくちゃ今の自分が求めていたサウンドが聞こえてきてびっくりした。改めて1枚目を聞くと、ヒヤリとしたロックサウンドに椎名林檎を想起する一方で、betcover!!やSummer Eyeのような巧みなムード作りを何より強く感じる。私は札幌のアーティストでSky Mataが1番好きなのだけど、それを知った時と同じくらい衝撃を受けました。
鴎という現行最新のアルバムがいちばん好き。でもファーストアルバムのはじまり2つ、「今時の女は拳銃を以て」と「貉」も何度もリピートしている。「肩」という曲のアウトロに鳴らされるギターがさいっこうで、聞くたびいつも叫び出したくなる。「頼りない天使」という一瞬フィッシュマンズのカバーか?と思うこの曲はVaundyの「踊り子」(だーーーいすき)とコード感?メロディー?が似ていて、さらに加えられたサウダージな温度感と切なさが本当に素晴らしい。今年の耐え難き降雪量と寒さを思い出すとき、浮かぶ音はこれな気がします。
アルバムの最後を飾る「隠居しないか、僕とでもいいのなら。」この曲名がつけられた時点で非常に素晴らしい。「デイドリーム・ビリーバー」や「オー・シャンゼリゼ」といった名曲群を想起させるようなイントロから、煤けたざらつきを湛えた言葉たちが歌われる。そのサビに放たれる「隠居しないか、僕とでもいいのなら。」という提案になぜか途方もないくらい喰らってしまいました。最後の盛り上がりへ手をつけるくらいで、「家具の様な人」という歌詞が出てくるのだけど、そこにも毎回ギョッとします。世界観が濃密にありながら、とんでもなくキャッチーで、絶妙な温度感を持つ表現をしてくれている。一気に夢中になったな。
ここ数年ずっとSummer Eyeが大好きで、彼は「求婚」という曲で「結婚しようよ」を歌うのですが、有田咲花は2025年に「隠居しないか」と歌っている。その対比をなぜか自分はしてしまっています。だけどこの移ろいに宿っている何かはある気がする。うまく言葉にできたら、また書きます。
・「若いながらも歴史あり」(フィッシュマンズ)
前回も書いたけれど、「(Let’s Get)Chance!!」というイベント名はフィッシュマンズに大きな影響を受けている。それもあって改めてフィッシュマンズを夢中で聞いているのだけど、そういえばちゃんと聞いたことのないライブ版だなと思い立ち聞いていました。このバンドには後期というものがちゃんとわかりやすく存在していて、それは深化したドリーミーなレゲエサウンドと、孤独の深まった歌詞描写(と呼ぶには現実に即したロックでもあるのが彼らの素晴らしすぎるところ)に代表されると勝手に思っているのですが、その質感を持ったまま陽気なフィーリングのライブを披露していて、他のライブ盤と一線を画していました。今日気が付いたのだけど、「チャンス」の歌い出しってLet’s Getと言ってるんですね。本当に気づいていませんでした。
フィッシュマンズはずっと同じことについて歌っているなと思う。レゲエの演奏が桃源郷を描き出そうとするとき、今ここが美しくないことに気がついて寂しくなる。意識が溶け合おうとするとき、嘘や拒否が手痛い仕打ちとして表われる。それでも佐藤は、「窓はあけておくんだ いい声聞こえそうさ」と歌っている。生前最後のリリースとなった「ゆらめきIN THE AIR」も「君が今日も消えてなけりゃいいな」という言葉が繰り返される。最後まで、「つながりはいつもそこさ 心ふるわす瞬間さ」と思っていたんだろうな。後続のどんなミュージシャンも佐藤のそれに至れていないのはいくつか理由があるのだろうけど、いつまでもバンドであることを諦めなかったのも大きかったのでしょう。亡くなってしまって本当に悲しい。
そういえば高校時代とても親しかった女友だちと好きな曲を教え合っていたとき、「幸せ者」という曲について「なんだかハヤトくんみたいだね」と言われたことを時々思い出す。なんだったんでしょう。
少しずつ就職活動なるものをしているのだけど、結局わたしは編集、もっと噛み砕けば印象操作屋さんになりたいのだろうなと感じる。佐藤はこの歌のなかで「この世の不幸は全ての不安 この世の不幸は感情操作とウソ笑いで 別に何でもいいのさ」と歌っていることについて、よく考えます。だからと言ってなんだってわけじゃないんだけども。
・匿名ラジオ
オモコロというサイトやYouTubeが大好きで、色んなコンテンツを夢中で追っているのですが、毎週木曜0時に更新されるダ・ヴィンチ・恐山とARuFaという2名によるネットラジオ、「匿名ラジオ」が500回記念として500分の特別版を出していました。毎週更新で500回、つまり9年半くらい続いているのもすごいけれど、それを吹き飛ばすほどの特大サービス。通常20分くらいの尺なのに。25週、およそ半年分のボリューム。。ちゃんと500分間ずっと面白すぎて凄まじい。恐山さんには観察眼の鋭さと、生活のままならなさに驚嘆することが多く、ARuFaさんにはサービス精神の途方もない大きさと、「努力大好き!」を衒いなく言えるところにすばらしさを感じ続けている。でもそんなこと関係なくずっと面白いものを作り続けていて、生活を潤わせてくれている、大好きなコンテンツです。
・文藝別冊 岡崎京子特集
フライヤーを色んなところに配るために様々なところへ足を運んでいるのだけど、漫画林という中央図書館近くの漫画専門の古書店に行って衝撃を受けた。その在庫の多さにもだけど、店主の知識などによる独特の棚の作り方にも大きく感動しました。石ノ森章太郎とその影響下にある漫画……みたいな作り方をしていて、ここに入り浸れば学べるものたくさんあるんだろうなと思った。
フライヤーはいくつかのところに置かせてもらっているのだけど、いちばん目撃報告をいただくのは円錐書店から。素敵なところに貼っていただいているのでしょうか。感謝で胸がいっぱいです。たくさん通いたい。
円錐書店はオープンして間もなく存在を知ったのに、実際に足を運べたのは昨年の後半からだった。ieというギャラリーの企画で赤れんが庁舎でコーヒーを出店したときに同じく円錐書店も出店していて、その時の棚のラインナップに大興奮してファンになった。わたしの通っていた大学の元学長だった山口昌男が戸川純とふたりで表紙を飾っている雑誌や、最高な時期のOLIVEやPOPEYEなどを売っていて本当に感動した。そこで買った蓮實重彦の「ゴダール マネ フーコー」は今も積読しています。
話が逸れました。そう、フライヤーを置いていただきたく足を運んだ先月のなかごろ、JTから発刊されたビル・エヴァンズについての特集本や相変わらず素晴らしいSTUDIO VOICEやOLIVEなどの雑誌群も衝動買いしたくなるなか、耐えきれず買ったのは、読みどきは今なのだなとなぜか確信した村上春樹訳の「グレート・ギャツビー」、買っては誰かに貸してしまい手元から消え続けている菊地成孔の「スペインの宇宙食」、そしてさっき行った漫画林で迷った挙句諦めたのに再び出会って観念した、文藝別冊の岡崎京子特集でした。
これがもう非常に面白い。あとがきやインタビューなど、文筆家・岡崎京子へフィーチャーしていてそれがもうどれも抜群に最高。小沢健二のエッセイも大好きなのだけど、書きたいことについてバチんと描けてしまう能力は彼女の方が秀でていたのではないだろうか。浅田彰に自分の作風について批評してもらう対談があったり、吉本ばななが岡崎京子について語っていたり、岡崎京子による「家庭とロックンロール」についてのエッセイがあったりと、終始ずっとワクワクしながら読みました。今読めてよかった!
・Friends Again
シャムキャッツのアルバム名、もしくはFlipper’s Guiterの曲名。どちらも大好き!特にパーフリは、最近ゲストに伺わせてもらったCRJ-SAPPOROというラジオ番組でエンディングに流していて、改めてその良さに触れ直していた。
なんというか、このコンセプトを考えることの多い2週間だった。フレンズ・アゲイン。いい響き。友達に戻ろうよ!みたいなことっていくつかの機会に抱く感情だ。猜疑心や打算が見え隠れしそうになった時、魔法の呪文みたいに言っていきたいなと思った。私の周りでは今年に入ってから「遊ぼうよ」という言葉も流行っているのだけど、同じくらい言っていきたいです。
最近聞いていた音楽
有田咲花とフィッシュマンズは上で触れた通り。レゲエの香りがする音楽に夢中なのは、雪解けが恋しいからなのでしょうか。フライヤーを配るために足を運んだ北18条あたりにある珈琲洋酒会館BOXというお店が、閉店前に爆音で小沢健二の「流れ星ビバップ」をレコードでかけてくれて、それに心底感動しました。なんだか本当に良くて、ずっとずっと聴いていたな。一文ずつで感動を語りたいほどにすべての歌詞が冴え渡っている。かけがえのない瞬間だった。そんなBOXでは21日にDJをさせていただくことになりました。本当に嬉しい。名曲と呼ばれるようなものばかり流したいと思っています。よろしければぜひお越しください!
最近出会った人から、しなやかな知性と呼べるような何かを感じてすごくときめいた。それは沈黙にも表情があって、好奇心を大きく持ちながら自分らしさは真ん中に確かにある、みたいなことを感じ入る佇まいで、今ここに帯びる熱や野生的な勘にどこか傾倒していた近頃の自分が忘れていたものだった。この人のおすすめはなるべく取り入れたいなと思った。(有田咲花へ夢中になったのも、彼女のおすすめがきっかけだったな。)
もともと自分はGEZANに対して若干の苦手意識を持っていたのだけど、その人が好きだと言っていて、おすすめのままに「MU-MIN」という曲を聞いたら、すごくよかった。続いて耳にした最近のリリースや、前作の「Third Summer of Love」という曲は良かった。苦手だったものが誰かの手ほどきで好きになっていくというのは本当に人生有数の喜びだ。そういえば小沢健二が数年前、ゲストボーカルにマヒトゥを招いた曲を出していたことを思い出した。いま改めて聞くと良い曲だ、と思った。かつてこの曲が初披露された小沢健二による東大での講義へ足を運んだことなども思い出した。色んなことがあったし、色んなことを忘れているんだろうなと思った……
SNSにて「2026 is the new 2016」というハッシュタグが流行していた。私はFrank Oceanの「blonde」というアルバムとBon Iverの「22, a million」というアルバムを偏愛していて、そんな時代が再来するなら本当に嬉しいなと心底思って、聞き直していた。どちらも改めて非常に素晴らしい。特にFrank Oceanの「White Ferrari」という曲は聞き直してその繊細な調べに心の底から感動した。
昨年The BeatlesとThe Beach Boysにハマってから、聞こえてくる音が少し変わった気がしていて、その耳でかつて好きだったものと出会い直すのが楽しい。アンビエントやジャズ、レゲエが好きになったときにもそれぞれそんなことがあったな。これからもそういうワクワクは続いていくのでしょう。楽しいことだ!
Dos MonosのTaitanがspitする「昭和のパロディが令和のコメディ」という一言についても考えていました。コンテンツ過剰接続というPodcastをやる二人組が2025年を総括するときに「ゾス」と「祈り」というキーワードを挙げていて、わかるな〜と思う一方でゲンナリした。どうしてなんだろう。坂本慎太郎の新譜「ヤッホー」もたくさん聞いています。大好きになった曲と、まだうまく聞きどころをつかめていない曲でちょうど半分ずつくらい。まだまだ聞き込みたくなるし、このアルバムきっかけに再訪する音楽もたくさんあって嬉しいです。野田努さんのレビューと風間一慶さんのインタビューがともに読み物として非常に面白かった!
また、音楽だいすきクラブというとっても素敵な名前にて主催されている、「ネットの音楽オタクが選んだ2025年のベストアルバム」にて13作品にエッセイとレビューの間のようなものを書かせていただきました!普段友だちと話しているようなことを書きたいと思って書いた。これまで読者として熱心に追っていた本当に楽しい記事なので、ぜひ読んでみてください!
1月から全力で走り続けてきた疲れが最近出てきている。ご迷惑をかけていたり、返信を忘れてしまっている方がいらっしゃれば本当にごめんなさい。。9000文字くらい書いたけど、それでもここに書ききれないほど刺激を受けることがたくさんあって、嬉しい日々です。
そういえば、これを書いている今ちょうど打ち合わせをしているのですが、2/11(水・祝)、PROVOにてフィッシュマンズの「男達の別れ」という非常に素晴らしいライブフィルムの上映会とコーヒーのポップアップを行います!絶対に素晴らしい体験になると思うし、久しぶりや初めてのPROVOにピッタリだと思うので、ぜひお越しください。次回の更新時にはイベントも終わっているはず、その感想などここでたくさん書けたら嬉しいな。
いつも感想とっても嬉しいです。みなさんの暮らしもお会いしたとき、教えてください!それではまた。







